冬休みにゆっくり観るべき映像作品2:『モリッシー25ライヴ』

冬休みにゆっくり観るべき映像作品2:『モリッシー25ライヴ』

もう1本のお勧め映像作品は『モリッシー25ライヴ』。
先ほどのミューズとは180度違い、いわゆるライヴの臨場感をそのまま自宅でも楽しめるという典型的な作りであるが、そもそもライヴのシチュエーションがめちゃくちゃ特別。
ロサンゼルスのハリウッド・ハイスクールの講堂で行われた特別ライヴが丸まる収録されているんだが、2000枚あまりのチケットはわずか12秒でソールドアウト。
つまり超コアなモリッシーのファンの前で行われた、めちゃくちゃ親密なライヴということ(ちなみにこの前日、ステープルス・センターで2万人の前でライヴやったばかり)。
それだけに、モリッシーの言動すべてを丁寧に捉えた、地味とも言える極めてストイックなカメラワークこそが効いている。
わがままを言えば、もっとカット数を減らして欲しいぐらい。
でも、それぐらいとにかくモリッシーを堪能できます。



あと、粉川しのがディスクレビューでも書いていたが(http://ro69.jp/disc/detail/91710)、MCのみならずすべての歌詞にも字幕がついている日本盤がお勧め。
自分も、普段はライヴを観ているとき、あまり歌詞に意識がいかないのだが、これ観ていて、本編ラストにやる”レット・ミー・キッス・ユー”の、ちょっと切なさすぎる歌詞に思わず涙しちゃいました。

ちなみに、モリッシーのファンにヒスパニック系が多いのは有名の話。
この作品を観ても、ロサンゼルスのライヴってことでヒスパニック系のファンが多い。
自分が通っていたロサンゼルス郊外のハイスクールは、ヒスパニック系が60%以上を占める学校だったんだけど(アジア系は2%以下と超マイノリティ)、この作品に出てくるようなモリッシー・ファンは確かに何人かいた(彼らもまた違う意味で、超マイノリティだったが)。
その点もまた心に響く。(内田亮)
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