クリス・スクワイア、亡くなる

クリス・スクワイア、亡くなる
昔、彼のたった一枚だけのソロ・アルバム「フィッシュ・アウト・オブ・ウォーター」のライナーノーツを書いたことがある。イエスのメンバーのなかでも、彼は思い入れのあるアーティストだった。
昨年の来日公演でも力強いパフォーマンスを見せてくれていたので、とても残念だ。
イエスというとスティーヴ・ハウのギターがサウンドのメイン・キャラクターとして、まず連想されるが、あの緻密なサウンド・デザインを支えているのはクリス・スクワイアのベースであり、彼のベースがイエスのサウンドのキャラクターを決めていた。
良く知られていることだが、唯一のオリジナル・メンバーであり、全てのアルバムに参加しているのは彼だけだ。
来日公演がある度に観ているが、いつも感じるのはイエスはイエスであることを全力で引き受けているということだ。
昔からのファンが求めるイエスを、しっかりと形に於いても、質に於いても再現してみせる姿勢は徹底している。
アレンジを変えない、演奏力を保つのは当然として、新しいヴォーカリストも従来のイメージを壊さないことを選択の大きな基準にしているように僕は感じる。そのことによって僕たちは、いつライブを観にいっても、あのイエスに出会うことが出来る。
そしてクリス・スクワイアは、いつもそのイエスのステージに立っていた。ファンは彼がそこにいることで、とても安心することができた。
実際はどうであるかはわからないが、僕にはそうしたイエスの姿勢はクリス・スクワイアが主導しているように思えていた。究極のバンドマンだった。
ご冥福をお祈りします。
写真は去年の11月23日、ドーム・シティーで行われたライブのセットリスト。これが僕の観たクリス・スクワイアの最後のステージになってしまった。
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