サマー・ソニックのケミカル・ブラザーズ

サマー・ソニックのケミカル・ブラザーズ
2015年のケミカル・ブラザーズを観る人間にしっかり記憶させるライブだった。
こうしたダンスミュージックをプレイするアーティストにとってEDMは、自らの立ち位置の明確化を一種強制的に迫る踏み絵のようなものなのではないか。
プロディジーはEDMは大嫌いだと発言することで、バンドの緯度と経度をクリアにしてみせた。とても彼ららしいやり方だと思った。
そして彼らは安心のブレイク・ビーツを徹底的にやり抜く思想的根拠も、その発言によって手に入れた気がする。
ケミカルの場合はもう少し複雑だ。彼らの場合、EDMとの対抗という図式では、バンドの緯度と経度は明らかにならない。
彼ら自身のなかに新たな物語の構築がない限り立ち位置はクリアにならない。
それを彼らは最新アルバムと今回のライブによって示してくれた。
余りのど越しは良くないし、僕たちが大好きなあのケミカル的カタルシスもない。
でもそこには新しい物語が存在している。
まだ序章なので少し取っ付きにくいけど、大きな物語への展開とカタルシスが待っている予感がする。
僕は新作の「ワイド・オープン」という曲にはまっていて、車のなかで良く聞いている。
ここでは既にワクワクするような物語が始まっていると思う。
さて23時からはホステス・クラブ・オールナイターだ。サマソニは客を休ませない(笑)
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