本当にEW&Fばかり聞いていた時期が僕にはある。あの時期、アースがいなかったら、音楽評論家として時代の音と向き合うのが辛くなってしまったかも知れない。
本当にEW&Fを僕はすがるように聞いていた。
モーリス・ホワイトの音と言葉は、いつも揺るぎなく肯定的で、力強かった。
シアトルのホテルでインタビューしたことがある。
僕の「あなたの歌詞には神という言葉が頻繁に出てきますが、いわゆるキリスト教的な神の概念と違いますよね?」という質問に、とても丁寧に答えてくれたのが印象に残っている。
知的で礼儀正しく、物静かな人だった。
マジック・ショー的な馬鹿馬鹿しさも含め、EW&Fのステージは音楽の肯定性を、徹底したエンターテイメントとして表現するものだった。2016年の世界は、それをとても必要としている。残念だ。
ご冥福をお祈りします。
モーリス・ホワイト亡くなる
2016.02.07 22:11