フェスの間、僕が聞いていた一枚のCD

フェスの間、僕が聞いていた一枚のCD

毎年、書いていることだが、準備から本番までのフェス期間中、僕はホテルから会場まで車で移動する時、決まったCDを聞く事にしている。
ほぼ一週間滞在するので、片道30分を14回、つまり7時間くらい同じCDを聞く事になる。
とても感情的に高まっている期間なので、選んだCDは強く記憶に残り、特別な一枚になる。今年はカニエだった。きっとフェスの記憶だけでなく、2011年という特別な年の記憶を刻んだ一枚になると思う。
フェスが明けて二日になるけれど、まだ東京の日常に馴れない。今年は特に余韻が強く残っている。
プロデューサーとして、とても強い意志を必要とされた年だった。
開催の決定から、フェスの終演まで、常に緊張感を持って全ての事と向き合って来た。それは毎年の事ではあるけれど、それでも今年は特別だった。
被災地で開催されるフェスという意義は大きい。しかしだからこそ成功させなければいけないし、安全に遣り遂げなければいけない。その思いはスタッフ全員に共通するものだった。
3日間を終えて感じたのは、大きな仕事を終えた達成感というより、与えられた役目を終えて安堵感だった。
雨の予報をことごとく粉砕して晴れ続けた天気も凄かったし、過去最高の動員数を記録しながら自由とルールを共に守り、フィールドを秩序あるフェス空間として作り上げた参加者も凄かった。
公園は昨日の夕方から雨になったようだ。ロック・イン・ジャパン恐るべし。
今日もカニエを聞きながら都内を走った。しばらく続くと思う。
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