桑田佳祐は何故、写真を撮られるのが得意でないのか

桑田佳祐は何故、写真を撮られるのが得意でないのか
現在、書店で絶賛発売中のジャパンは桑田佳祐のカバー・ストーリー。インタビューだけでなく、写真撮影も僕が担当させてもらった。
桑田佳祐の撮影は何度か担当させてもらっているが、その度に思うのが桑田佳祐は写真撮影が苦手だ、という事。というか、自分が撮影対象になっている事に凄く居心地の悪さを感じているのがカメラを通じて伝わって来るのだ。
その事を本人に言うと「自分に自信がないんじゃないですか」と笑っていた。
桑田佳祐が自分に自信がないなら誰が自信を持つのだ、とたいていの人は思うだろう。
でも僕はその言葉に納得した。
カメラを通して、桑田佳祐と同じ感じが伝わって来る人がいる。北野武だ。撮影の時、いつも居心地が悪そうだ。そして北野武も同じように撮影が嫌いな理由を自分が撮影される事、特別な存在として扱われる事が嫌だからだ、と言っていた。
そして2人ともテレビだと被り物やズラをかぶりたがるところも似ている。素でいることが嫌なのだろう。この巨大なアイコン2人が写真嫌いなのはとても興味深い。
だから2人はいつまで風化しないアイコンとして存在していられるのだ。ナルシズムとは遠い健全な自己相対化力、それを彼らほどの成功を収めた人間が持ち続けているのは凄い。
世の中の芸能人のほとんどはナルシズムが大好物だ。悪いことではないが、それを飼い馴らす知性がないと、そのナルシズムに自分が殺されてしまう。
桑田佳祐や北野武のように、破格の才能と見事な自己相対化力を共に持つ人は稀だ。
写真はページ数の関係で掲載する事ができなかったが、カメラマンとしては愛着のある秘蔵ショット。
桑田佳祐は何故、写真を撮られるのが得意でないのか
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