Spiritualized

Spiritualized

ギターがかきむしられる。
ベースが軋むほど弾かれる。
ドラムが壊されるほど打ち付けられる。


けれど、その中心に
ジェイソン・ピアースがいるとき、
そのノイズはいつしか福音としか聴きようのない何かとなって、
われわれに降り注ぐのだ。

ジェイソンはいつだって、
内なるカオスは聖なる調和としてそれぞれが
近づき、交じりあうことはないのかと夢想してきた。それは、彼にとってどうしても必要な和解であり、
音楽はその証明なのだ。


いうまでもなく、
この日、この目の前で、
それは起きた。
それを夢見た者しか鳴らせない、
ゴスペルだった。

(宮嵜広司)
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