Spiritualized
2008.08.10 18:33
ギターがかきむしられる。
ベースが軋むほど弾かれる。
ドラムが壊されるほど打ち付けられる。
けれど、その中心に
ジェイソン・ピアースがいるとき、
そのノイズはいつしか福音としか聴きようのない何かとなって、
われわれに降り注ぐのだ。
ジェイソンはいつだって、
内なるカオスは聖なる調和としてそれぞれが
近づき、交じりあうことはないのかと夢想してきた。それは、彼にとってどうしても必要な和解であり、
音楽はその証明なのだ。
いうまでもなく、
この日、この目の前で、
それは起きた。
それを夢見た者しか鳴らせない、
ゴスペルだった。
(宮嵜広司)