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    KREVAの新作音楽劇を観て思ったこと

    KREVAの新作音楽劇を観て思ったこと

    KREVAの新作音楽劇を観た。


    KREVAの音楽劇『最高はひとつじゃない』の3作目。
    ミュージカルでもあり芝居でもありライブでもあるという斬新なこのシリーズ、
    3回目を迎えてもはや「オリジナル・スタイル」である。
    しかも今回はなんと桜(名前じゃなくて、植物、木、ね)が主人公で、登場人物もお坊さんや武士といった、やたら古典的なキャラばかりである。
    桜や坊さんや武士がラップしながら時空を行き来するという、もうどこからどう見ても超オリジナル・スタイルなのである。

    でも僕がいつも観ていて最も感動するのは、KREVAの音楽、特に歌詞だ。
    劇中では40曲を超えるKREVAの曲が使われ、KREVAだけでなくあらゆる登場人物によって歌われる。
    オリジナル楽曲の意味や文脈とは違う、あくまでも「劇」の物語の文脈の中でそれらの曲が歌われるとき、KREVAのリリックの普遍性と強靭さと優しさがあらためて強烈なインパクトで伝わってくる。
    そこに本当に深く感動する。
    「あかさたなはまやらわをん」も「Under The Moon」も「生まれてきてありがとう」も、
    今まではKREVAの「メッセージ豊かでポップなリリック」として聴いてきたが、
    劇中歌として物語を背負った時に発揮する説得力や強靭さはもはやそんなレベルではなかった。
    KREVAがどれほど自分を追い込んで、そんな自分の中から伝えるべき言葉だけを抽出してリリックとして編んでいるのかをあらためて思い知らされた気がした。

    内博貴、小西真奈美、ブラザートム、Mummy-D、AKLOらの熱演も素晴らしかった。
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