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    エド・シーランは、洋楽新世代の「正しい進化」をも超えていく

    エド・シーランは、洋楽新世代の「正しい進化」をも超えていく
    エド・シーランの表紙のロッキング・オン最新号のキャッチコピー、何にしようかと編集部みんなで考えて、「ギターがまた、時代を開く」にした。
    これしかないと思った。
    シンプルすぎるしストレートすぎるけど、これだ!と思った。

    シンプルすぎてストレートすぎるが、このコピーを冠せられるのはエド・シーランだけだし、エド・シーランのことをよく知らない人にエド・シーランの存在意義を言葉で説明するにもこれしかないと思う。
    「ギター」も「また」も「時代」も「開く」も、どの言葉もエド・シーランを語る上で重要な意味を持つキーワードになっている。
     

    今月号の特集「2017年最新洋楽シーンを徹底検証」のリード文にも書いたが、新しい時代の新しい世代のアーティスト達が国を超えジャンルを超えて今どんどん進化しながらとてつもない優れた作品群を生み出している。

    まるでAppleの新製品のように作品ごとにスペックを上げ、質をアップグレードし、内容をアップデートしながら「正しく」進化している。
    最新トレンドや、技術のレベルアップなどすべての情報を的確に処理して有効なものだけをクレバーに取り入れる。その結果、傑作だらけのシーンになっているのが今だ。

    だが1つ、その「正しい」進化の欠点として「同じ方向を向いてしまう」ということがある。

    R&Bが右へ行けばすぐにそれを取り入れて右へ行く、ポスト・ダブステップが左へ行けばすぐに取り入れて左へ行く、EDMが有効とあらばすぐにEDMを取り入れるetc.。


    そんな中、エド・シーランの「ギター」一本で「また」「時代を」「開く」姿勢はさらに新しいわくわくする何かを感じさせてくれる。
    あまりにも重要なアーティストだ。(山崎洋一郎)
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