50周年目前のユーライア・ヒープが東京公演でみせた、すさまじい現役感。ビルボード公演をレポート!

50周年目前のユーライア・ヒープが東京公演でみせた、すさまじい現役感。ビルボード公演をレポート!

3月20日、六本木のビルボードライブ東京にて、ユーライア・ヒープを観た。このバンドが来日公演を行なうのは2016年の1月以来のこと。武道館公演を含む1973年の初来日公演から数えて通算5回目の日本上陸ということになる。

今回、何よりも感銘を受けたのは、1stアルバム発売から今年で49年を数えるこのバンドの現役感の強さと、今回のライブが過去の特定の名作の再現などを主題とするものではなく(もちろんそれはそれで素晴らしいのだが)、あくまで昨夏にリリースされた最新アルバム『桃源郷(LIVING THE DREAM)』を軸とするものだったこと。筆者自身、この最新作が愛聴盤となっているからこそこの公演に足を運んだようなところがあるが、同作からの楽曲をライブでできるだけ多く味わいたいという欲求はほぼ満たされたし、同時に“対自核(Look At Yourself)”や“七月の朝(July Morning)”、“幻想への回帰(Return To Fantasy)”といった往年の名曲群も充分に堪能することができた。

オリジナル・メンバーはバンド創設者であるミック・ボックス(g)のみだが、フィル・ランゾン(key)やバーニー・ショウ(vo)は1986年以来のメンバーであり、名ばかりの長寿バンドといった印象は皆無だ。しかもこのバンドは解散を経たこともなく、今でも年間を通じて普通に100本以上の公演を実施していたりする。だから各々の演奏ぶりはもちろん、ライブ全体の流れにも文句のつけようがなく、あまりに素晴らしいので第一部、第二部の双方を続けざまに観てしまった(同会場では通常、一夜に二回のステージが組まれている)。しかも彼らはそこで同じセットリストでのパフォーマンスを重ねるのではなく、最新作からの楽曲もクラシック・チューンも双方にある程度振り分け、二回のステージをもって完結させるかのような構成を組んでいた。実際、僕自身が例外的なわけではなく、二回のステージを続けて楽しんだファンも少なくなかったようだ。

今年の6月には72歳になるというミック・ボックスの溌溂としたギター・プレイ。阿吽の呼吸でそこに絡むキーボードと、さまざまな時代の楽曲を違和感なく聴かせるボーカル。

しかも比較的若いリズム隊にはすさまじい突進力があるし、このバンドのトレードマークのひとつでもあるコーラスワークは見事に楽曲を輝かせていく。過度なレイドバックの匂いとは無縁のそのパフォーマンスには、ただただ長く続いているだけのバンドにも、当然ながら若いバンドも持ち得ない説得力を感じずにいられなかった。

第二部のアンコール時には、ちょうど「DOWNLOAD JAPAN 2019」出演のためすでに東京入りしていたジューダス・プリーストのリッチー・フォークナー(g)が飛び入りし、“安息の日々(Easy Livin’)”を共演するという嬉しいサプライズも。ちなみに両バンドはこの秋、タッグを組んで北米ツアーに臨むことになっている。

ユーライア・ヒープは本日、21日にもビルボードライブ東京にて二回公演を行なう。この機会を是非お見逃しなく、と素直に薦めたくなるライブだった。そして彼らの新たなマスターピース、『桃源郷』もお忘れなく。(増田勇一)
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