日本初上陸の「Download Japan 2019」がもたらした、激しくも深い感動の連続。その全貌をレポート!

3月21日、満を持して日本での初開催を迎えた「Download Japan 2019」を幕張メッセで観た。午前10時半からの約11時間をさまざまな彩りの爆音のなかで過ごしたが、これほど凝縮感の濃いロック・フェスというのは過去にもあまりなかったのではないだろうか。一番手を務めたニュージーランド出身の新鋭、ライク・ア・ストームから、祭典を締め括ったジューダス・プリーストに至るまでを観たが、出演者のレンジは狭そうでいて実は幅広い。結果、ハード&ヘヴィなロックの多様性を改めて浮き彫りにしながら、新時代の担い手たちの新鮮な魅力と音楽的な質の高さ、ベテランたちの底力の凄まじさの双方をしっかりと伝えてくれるフェスになったのではないかと感じている。

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本稿はあくまで速報的なものなので個々の出演者のパフォーマンスについて詳しく述べることは避けておくが、やはり強烈だったのがゴーストの存在感だ。フェスの場で彼らならではのシアトリカルなライブを展開するには限界もあるわけだが、このバンドのフロントマンというよりは彼自身がゴーストというべきコピア枢機卿の放つミステリアスで妖しいオーラは、個性の強い出演者たちのなかでもことに際立っていた。

演奏者たちは全員マスクを装着していて顔が見えず、たとえばギター・ソロの際の陶酔的な表情やドラマーが激速ビートを繰り出す時の苦悶の表情といったものもこのバンドのライブには無縁だ。ある意味、そうした匿名性の高いところがあるだけに、観る側にとっては感情移入のしにくい部分があってもおかしくない。が、それでも引き込まれるのは、楽曲自体に効力が伴っているからだろう。芝居がかったコピアの振る舞いも、各楽曲のキャラクターが確立されているからこそ光るのだ。今回が4年7ヵ月ぶりの日本上陸となったこのバンドだが、一日も早くこの国での単独公演が実現することを願いたい。もちろんフル・スケールでの。

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オーディエンスにこの日最大の感動をもたらしたのは、スレイヤーだったのではないか。すでにツアー活動から身を引くことを表明している彼らは今回、いわゆるフェアウェル・ツアーの一環として来日したわけだが、こちらとしては心のどこかに「きっとこのツアー実施中にもう一度、単独公演で来てくれるはず」とか「ツアーをやらなくなるだけで、きっと単発的なライブは実施する可能性がある」といった期待込みの思い込みがあった。

しかも実際にいつものように容赦のないライブがいざ始まれば、アタマが勝手に揺れてしまうし、感傷的な気持を挟み込む余裕などなくなってしまう。が、すべての演奏が終わり、ステージに居残ったフロントマンのトム・アラヤが発した言葉に、我に返った。会場全体をゆっくりと見渡し、穏やかな笑みを浮かべた彼は、用意されていた文面を手にし、静かにそれを読み始めたのだ。

「コレがワタシタチのサイゴのショウ。トテモ、カナシイ。サヨナラ。イツカ、マタネ」

この言葉を聞いている途中で、勝手に涙があふれてきた。そんな観客は少なくなかったはずだ。すごいのはそこで、「そんなこと言わずにもう一度!」ではなく「もう思い残すことはない。ありがとう!」と叫びたくなったことだ。もちろんこの先にまだ彼らの壮絶なライブと向き合うことができる機会を得られるのであれば何度でも観たいという気持ちはあるが、ラスト・ショウでこんな気持ちを味わわせてくれるバンドというのも、なかなかいないのではないだろうか。

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そして、そんなスレイヤーの余韻が消えぬうちに始まったジューダス・プリーストのステージは、まさしく完全なる横綱相撲。ロブ・ハルフォードの叫びはさらに鋭利さを増しているように感じられたし、“キリング・マシーン”といったレア・チューンや前回来日時のセットには含まれていなかった楽曲が組み込まれていたのも素直に嬉しかった。また、彼らのライブのオープニングSEにブラック・サバスの楽曲が用いられているのは毎度のことではあるが、この夜に限っては、そこには本来このフェスのヘッドライナーを務めるはずだったオジー・オズボーンへの想いも込められているように感じられた。

さらに約90分の演奏終了後、クロージングSEとしてクイーンの“伝説のチャンピオン”が用いられたのも昨年11月の来日公演の際と同様だが、この夜はこの曲の「友よ、誰もがチャンピオンなんだ。最後まで闘い続けよう」というメッセージが、スレイヤーに向けられているようにも感じられた。

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ジューダス・プリーストが姿を消したステージ上、スクリーンにはいつものように「PRIEST WILL BE BACK」という文字が浮かんでいた。メタル・ゴッドはまた絶対にここ日本への帰還を果たしてくれることだろう。しかしスレイヤーは……。極上のライブ・パフォーマンスを堪能し尽くして心地好い疲労感を味わいつつ、感動を噛み締めながら会場を後にした。フェスの運営自体については、会場内の導線のあり方など改善すべき点が見受けられたが、こうしたフェスならば毎年通いたい。同じ場に居合わせた人たちの多くが、そう感じたのではないかと思う。(増田勇一)

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