結成60周年となるアニバーサリーイヤー=2025年に向け、ドアーズ関連の諸企画が告知されている。その前哨戦として、ロッキング・オン12月号はドアーズの歴史を綴った検証記事を掲載いたします。
UCLA映画学科で知り合ったジム・モリソンとレイ・マンザレクが、東洋思想や瞑想への興味を介してジョン・デンズモア&ロビー・クリーガーと繫がったことで開かれた「扉」――60年代カウンターカルチャーの縮図とも言えるその起源から悲しい終結まで、一気に俯瞰できる熱い記事です。
永遠のロック詩人ジムの霊感に満ちた発言がふんだんに引用されており、「ラブ&ピース」でカラフルに膨らんだ時代をガス抜きするような、暗部を直視する彼らの知性と官能性はいわば「黒い太陽」だったことに思いが至る。
東海岸のヴェルヴェット・アンダーグラウンドと双璧を成す偉大なアートロックバンドでありつつ、VUとは異なり全米チャート1位も記録――ジムの早過ぎる死によって「伝説」に祀りあげられがちな彼らですが、その誰にも真似できないサウンドは現在もバイタル。本記事が、そのディープダイブへのきっかけになることを祈ります。(坂本麻里子)
ドアーズの記事が掲載されるロッキング・オン12月号