ブレグジット前後に浮上したイギリスのポストパンク〜アートロック新波もいったん落ち着いた感がある。しかし彼らの台頭は、例えばロンドンのウィンドミルから英北部ヘブデンブリッジのザ・トレーズ・クラブまで、草の根ライブ会場ネットワークの活性化ともシンクロしていた。そのDIY精神の盛り上がりの影響は、実は今こそ全土に波及しているように思う。
ロッキング・オンの名物コーナー「気になるあいつ」最新号では、そんな英インディ界の「今」を感じる一組、cowboyyをご紹介します。英南部の港湾都市ポーツマスを拠点に、22年に結成されたこの3人組は23年にEPデビュー。USマスロック(ドン・キャバレロ他)への愛を感じさせる緻密な、しかしシリアス一辺倒ではなくスコン!と突き抜けたポップネスがクセになる音楽性と「(イギリスの)カウボーイ」という矛盾を名乗る飄々とした存在感は一聴の価値アリだと思います。ぜひ、誌面で彼らに出会ってみてください。(坂本麻里子)
cowboyyの記事の記事が掲載されるロッキング・オン12月号