生涯現役、とはこういうこと

ポール・ウェラー『モア・モダン・クラシックス』
発売中
ALBUM
ポール・ウェラー モア・モダン・クラシックス
ポール・ウェラーはジャムのベスト盤(『スナップ!』、83)を出しているし、スタカンでもシングル集を出している(『シンギュラー・アドヴェンチャーズ』、89)。ソロでもベスト(『モダン・クラシックス』、98)を出しているし、なんならジャム~スタカン~ソロを横断したシングル集(『ヒット・パレード』、06)も出している。これは37年間現役を貫いてきたウェラーとしては当然の頻度だし、ジャムが約5年、スタカンが約6年の活動期間だったのに対し、既に23年やっているソロ・キャリアを思えば、こうしてソロ2枚目のベストを出すのもまた必然なのである。

この『モア・モダン・クラシックス』はタイトルどおり、98年の前回ベストの続編にあたる。『ヒーリオセントリック』以降、つまり2000年代以降のウェラーの7作から精選された楽曲集だ。この時期の彼はアヴァンギャルド、ルーツ・ミュージック、ビート・ロック、コンセプト・アルバムとアルバム毎にくるくる顔を変え、老成どころかまったく落ち着かない。そういう意味でベスト盤らしいどっしり感はないのだが、ウェラーだからこその現在進行形にして攻めの途中報告なのだ。(粉川しの)
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