“紅蓮”やカップリングの“砂嵐”のドラマティックでやや古風な言葉遣いの歌詞はアニメの世界観を意識したものということだろうが、その根底にあるのは、人間への揺るぎない信頼と、現実を乗り越える希望であり、未来を照らしだす光だ。2010年『MODERN AGE』あたりから、聴き手に向かって開かれたポジティヴでカラフルな歌詞や曲調が目立ってきた氏原ワタルの意識は、『MODERN AGE』以前のDOESを思わせる黒光りするハードでモノクロームで熱量の高い硬派のロックを正攻法で堂々と展開する本作においても、揺るぎなく不変である。さらに赤塚ヤスシ初の作詞作曲ヴォーカル“フューチャーボーイ”も収めた3曲は、相当にテンションが高い。
かつて氏原はこう言った。こんな景気の悪い時代でも、クールにかっこよく生きようぜと。まさにそういうメッセージがこめられたシングルだ。 (小野島大)