どこにだって行ける音楽

Czecho No Republic『MANTLE』
2014年07月16日発売
ALBUM
Czecho No Republic MANTLE
インディーズ時代の楽曲を、會田茂一、片寄明人、いしわたり淳治という3人のプロデューサーと共にエヴァーグリーンな輝きを放つ宝石へと磨きあげたデビュー作『NEVERLAND』から9ヶ月。2ndアルバムとなる今作は、バンドのセルフ・プロデュースで制作された。ほっくりとした空気とキラキラとした木漏れ日を感じる北欧サウンドと、爽やかなグラスゴーの風と、ドリーミーでいてさりげなくけれんみもある洗練されたブルックリンのインディ・ロックっぽくもある。きゅんとくるスウィートなポップスのおいしいとこどりを、無邪気に、そしてスマートなセンスで形にしてしまうそのウマさが存分に発揮されたアルバムになった。俯いた頭も体温も上がる、アップリフティングなポップ・チューンは、心躍る、という言葉がぴたりとはまる感じ。

バンドの佇まいも音楽も、器用で洒落ている印象があるけれど、それでも憎めないのは、歌の奥にのび太のような、トホホなユルさも感じるから。臆病だけど、たくましい妄想力を持つ、その「ああしたいこうしたい」をエンジンにハッピーを描く歌に、親近感が湧く。(吉羽さおり)
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