CAPSULEはアルバムごとに違ったアプローチをとるユニットなので当然とも言えるが、1年4ヵ月ぶりの新作となる本作もまた、前作とはまるで異なるアプローチだ。
前作は「ライヴで盛り上がることを想定しない」、インドアなリスニング向けのアブストラクトでエクスペリメンタルなサウンドだったが、今回は一転して、大バコの巨大レイヴのPAスピーカーからガンガン流れてきて、数千数万の客が両手を挙げて踊り狂うような、そんな狂騒的なイメージがすぐに浮かんでくる、徹底してイケイケのEDMアルバムだ。言ってみれば『STEREO WORXXX』以前のアッパーでダンサブルなCAPSULEが戻ってきたと言えるが、その徹底度、吹っ切れ度は過去最高とも言える。
以前中田ヤスタカは「自分自身と世の中とのバランスで発表する音楽が変わってくるのがCAPSULEだ」というようなことを言っていたが、中田の今のバランス感覚が選び取ったのが、このハイパーなフロア指向のサウンドだというのはかなり興味深い。EDM全盛の世の中に敢えて投げ込んできた渾身のど真ん中ストレート。求められるのは結果だ。(小野島大)
真っ向からの直球勝負
CAPSULE『WAVE RUNNER』
2015年02月18日発売
2015年02月18日発売
ALBUM