前作は、ピアノリフとリズムラインの複雑なアンサンブルが聴き手の身体を揺らすダンス・ロックアルバムだった。今作はそこから一歩進んで、4人のグルーヴ感はそのままに、よりいっそう言葉の重みが感じられる作品になっている。《国境はお前がひくのさ》（“国境はなかった”）、《世界は一つきりの生命／手をつないで さあ 離さないで》（“メロル”）、《ひとつになって いいのにな》（“one”）というように、作品の随所で、一つになれない世界の現実と、その現実を打ち破りたいという繋がりの欲求がストレートな言葉で表現されているのだ。
メジャーデビューから11ヶ月、全国津々浦々でライヴを経験するなかで、より分かりやすい歌詞の必要性を感じたのだろう。メッセージを伝えることにフォーカスした村上学（Vo・G）のヴォーカルは今までになくエモーショナルだ。進化を続けるバンドにとってのメルクマールとなる1枚。（福島慶介）
