恋と愛との間を歌う
Drop's『未来』
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SINGLE
温かくも切なく、青春の少し先を描いたスローなバラード『さらば青春』に続くDrop’sの3作目のEP『未来』、表題曲“未来”は大人の香り漂うラブソング。ゆったりと、肩を並べて歩くようなビートにのせて、中野ミホ(Vo&G)が熱い歌声を響かせる。甘い時間のなかに、ふたりの間にわずかに横たわる停滞感も見えてヒリっとする。ブルージィな鍵盤やギター、どっしりとしたアンサンブルもまた、張り裂けそうな胸の内をドラマティックに盛り上げてくれる、まさにビター&スウィートなDrop’s節。そのほか、スプリームスや、オールディーズ風のポップチューン“恋は春色”。豪快でぶっといギター&ベースと、グルーヴィなオルガンで生み出すど迫力のロックンロール“Purple My Ghost”では、ルーズなタメがきいた貫禄があり、キャロル・キングの名曲“You’ve Got A Friend”カヴァーもはまっている。ソウルやブルース、ロックンロールへの憧憬を大事にしながら、この5人だけの声や音のボリュームをグッと上げ、しびれるような爆音に心地好く身を浸している。音と戯れるバンドの今が見える新作だ。(吉羽さおり)