パーティーのゆくえは

アンドリューW.K.『一網打尽〜ベスト』
アンドリューW.K. 一網打尽〜ベスト
隣の席が内田だからかもしれないが、ここ数ヶ月「アンドリュー」の言葉を聞かない日はなかった。そして彼の話題はすべて「なんて真面目な奴なんだ」という一言に集約されていた。GReeeeNの大ヒット曲“キセキ”に彼オリジナルの英詞をつけてカヴァーするのに始まった一連の邦楽カヴァーの数々を聴いたときは、この人の底なしのチャレンジ精神に脱帽。結婚式の2日後に撮影に応じてくれたときは、人がいいのにもほどがあると畏敬の念すら抱いたし、今度の単行本化に伴って過去6年分の「悩み相談」を読み漁っていたら、本当に親身になってアドバイスを送っている彼の人間性の豊かさに感動した。それだけに、「アンドリューW.K.=奇天烈に暴れまわるパーティー野郎」というイメージが定着している現在、rockin\'on 2008年12月号のインタビューでアンドリューが語った真実は重い。が、他人と楽しく繋がりたいからハッピーでクレイジーな「キャラクター」になって歌ってきたというエピソードは胸が痛むものの、初めて彼の素顔が見えた気がして、ますます好きになった。『アイ・ゲット・ウェット〜パーティー・一直線!』『一匹狼』『兄貴、危機一髪!』の3枚をまとめたベスト『一網打尽〜ベスト』と邦楽カヴァー・アルバム『一発勝負〜カヴァーズ』を同時発売する大盤振る舞いなアンドリューだが、ぎっちり詰め込まれた鍵盤とシャウトが唸るメロディックな爆走ロック・チューンを聴いていたら、このベストが彼にとって新たなスタートラインだとも思える。だがこの先どこへ向かおうとも、この愛すべき男の咆哮を受け止める覚悟はできている。(林敦子)
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする
音楽WEBメディア rockin’on.com
邦楽誌 ROCKIN’ON JAPAN
洋楽誌 rockin’on