昨年、中村一太(Dr)が加入し、plentyは3人編成となった。今の彼らはこのメンバー同士で醸し出すグルーヴを楽しんでいるのを感じる。では、グルーヴとは? これを言い表すのは非常に難しい。実際のところグルーヴにはメロディのような具体的な形はなく、譜面で表すことなんて不可能。しかし、確実に存在する「何か」だからだ。そのかけがえのない「何か」を抱きしめながら、「いのち」「愛」「魂」という我々人間を激しく衝き動かすくせに曖昧模糊としたままのもの=もうひとつの「何か」を圧倒的な熱量で炙り出す表現の数々。それが今作の楽曲群だと言えよう。温もりを通じて束の間浮かび上がる「君」と「僕」という存在を描いた“体温”。「ドーナツの穴」という存在・非存在を考える上でしばしば取り上げられる題材を軸に、愛の輪郭を捉えようとしている“ドーナツの真ん中”……など、生の実感を鮮やかに喚起するイメージが連なっていくこのアルバムには、『いのちのかたち』というタイトルがとてもふさわしい。深遠なテーマを極上のサウンドで美しく浮き彫りにするplenty。素晴らしいバンドだ。 (田中大)