「ここはライヴハウス武道館じゃない、ディスコ・ブドーカンだ！」と石毛輝（Vo・G・Syn）が叫んで始まる、テレフォンズ初の、そして最高の武道館。前代未聞のディスコナイトが蘇る。本年いっぱいで活動休止すると宣言した彼らを見ると、寂しいんだか楽しいんだか気持ちの整理のつけようがないが、それ以前にこの夜は結成10周年を祝う武道館なのだ。4人はそっちに集中していた。

ファン投票で曲を選んだセットリストが極上で、もうアガるしかない流れ。満杯のオーディエンスの期待に応えるべく、いつものように微妙なTシャツでシャウトする石毛を始め、金色スパンコール仕立てのVネックシャツで飛び跳ね空を飛ぶ岡本伸明（Syn・Cowbell・Shriek）、タキシードでキメた長島涼平（B・Cho）、この日のために散髪して気合を入れた松本誠治（Dr）は、パワー200％全開で最初から最後まで突っ走っている。

それを編集するなんてとても出来なかったのだろう。全28曲を丸ごと2枚のディスクに収めた。まさに「ウィ・アー・ディスコ！」。こいつら最高のロックバンドだ。（今井智子）