大事な「なにか」を掴んだ4人
Brian the Sun『シュレディンガーの猫』
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ALBUM
キレのいいドラムロールと、キャッチーなギターフレーズの掛け合いではじまる“都会の泉”で、ミニアルバム『シュレディンガーの猫』は幕を開ける。この“都会の泉”のイントロのパワーでグッと掴んで、聴き手を作品に飛び込ませる。そして頭の掴みから、続く曲、そのまた続く曲へと、気持ちのいいアンサンブルとスピード感とで、聴き手をホールドしてしまうのが、このミニアルバムだ。セルフタイトルの充実した2ndアルバムを発表し、その後の「スペースシャワー列伝」のツアーでTHE ORAL CIGARETTESや04 Limited Sazabysなどライヴ猛者と鎬を削った。ライヴバンドとして着々と名を上げているBrian the Sunの今現在を、パッケージしたのが今作。思えば2014年のミニアルバム『彼女はゼロフィリア』も“ライヴ”を通して得た気持ちや、ステージで培ったバンドの成長を記録したものだったが、そこから1年半、今の4人は当時とは見違えるほどの自信と馬力がある。強がりとセンチメンタルが滲む歌はまだそこにあるけれど、4人が紡ぐロックの胸板はがっちりと分厚い。(吉羽さおり)