どんなに高速タッピングが炸裂していても、ビートが躍動しまくっていても、QOOLANDの音楽はいつだって日常の悲しみに満ちている。いや逆だ。ともすれば自分たちの日常に絡みつく悲しみや退廃感を振り切るために、ハイパーな加速感を備えたアンサンブルと弾性あふれるメロディが必要不可欠だった、ということだろう。彼らのバンドサウンドが超絶テク博覧会ではなく、蒼さと軋みの切実な表現として響いてくるのはそのためだ。
レンタル限定盤を含めシングル/ミニアルバム計5作品をリリースしてきた怒濤の2014年を経て、『それでも弾こうテレキャスター』以来約2年半ぶりとなるQOOLANDの2ndフルアルバム。先行シングル曲“叫んでよ新宿”の暴発寸前のルサンチマンも、渦巻く猜疑心の果てに真の愛に必死に手を伸ばす“Shining Sherry”も、平井拓郎(Vo・G)のファニーな歌声越しにするりと心のど真ん中に入り込んでくる。そして、《間違えてきた だからこそ一緒に正しく生きていこうぜ》とひときわエモーショナルな音像とともに突き上げる“Come Together”に、思わず胸が熱くなる。 (高橋智樹)