バンドで音を鳴らすこと

サイダーガール『 サイダーの街まで』
発売中
MINI ALBUM
サイダーガール  サイダーの街まで
スリーピースバンド・サイダーガールの初の全国流通盤。知(G)、フジムラ(B)はVOCALOIDプロデューサーとして、Yurin(Vo・G)は歌い手として、動画投稿サイトにてそれぞれ個人活動を行ってきたが、2014年春、知の「バンドで音楽がやりたい」という強い意志によってこの2人が集まり、バンドが結成された。サイダーガールは、個々で活動してきた3人が「バンド」になっていく物語だと思う。バンドの決起人である知は個人活動時代、DTMを駆使し電子音を取り入れ、膨大な量の音が飛び交う、精巧なギターロックを中心に発表していた。だが、今作『サイダーの街まで』の1曲目、知が作詞作曲を手がける“NO. 2”は、キャッチーで爽やかなメロディをギター2本、ベース、ドラムのみのシンプルな構成で真っ直ぐに聴き手に届けていく。さらにYurinの歌声も、くっきりとした生音に乗せることを意識した、より張りのある伸びやかなものとなっている。バンドミュージックに対する強い憧れが根付くサイダーガールの音楽。そこには3人で音を鳴らすことへの純粋な悦びがあふれている。(中川麻梨花)
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