2年2ヶ月ぶりとなる待望のフルアルバムは、聴き始めたが最後、ノンストップで全19曲を聴き終えるまで停止ボタンを押すことができなくなるほどの牽引力。POLYSICSはテクノ、ニューウェイヴというくくりだけで語るにはもったいないバンドだ。芯の部分で鳴るサウンドは肉感的で、特に今回の作品では全体を貫く「バネ」のようなものが強靭。ライヴではすでに披露されている“SUN ELECTRIC”にしても、チップチューンをフィーチャーしながら、リズムにはしっかり人間の汗を感じるし、それぞれの曲にこめられる情報量の多さも、過剰スレスレの一歩手前で一番痛快な部分を駆け抜けるように緻密に計算されている。今作は、現代のポップミュージック(アニメカルチャー内、そしてネットカルチャー内での音楽も含む)のどのフィールドでも高く評価されてしかるべき曲のオンパレード。そんな中でも“Nail”で叩き出されるリズムのクールネス、“Be a Human”のポストパンク的なシニカルさには最高にグッとくる。このアルバムを引っ提げてのツアーは、ちょっと凄いことになるんじゃないか。(杉浦美恵)