たとえばアンスラックスとかデリンジャー・エスケイプ・プランみたいに王道を行くよりも、むしろ変わってると言われてしまうような個性の強いバンドに愛着を覚えてしまい、このキルスウィッチ・エンゲイジについてもそういう流れで好きになったフシがある。メタルコアの真髄とも呼べる彼らのどこが変なんだ?と問われるかもしれないが、メガネに太いもみあげ、マントを着てはしゃいだりするギタリスト兼プロデューサーのアダム・デュトキエヴィッチのキャラクターだけでも十分その資格はあると思う。ついでに言うと、前述したバンドは3組ともフジロックに出演している。
2代目ヴォーカリストを務めたハワード・ジョーンズも素敵なキャラの持ち主なので、病気で離脱してしまったのは残念だったが、オリジナル・メンバーのジェシー・リーチが復帰して作り上げた前作はビルボード7位を記録する成功を収めた。続く最新アルバムは、ジェシーがバンドとの一体感を完全に取り戻した状態で取り組んだとのことで、キャリア16年の充実ぶりが伝わってくる好作品。メガデスに続き、今年のメタル傑作に認定したい。(鈴木喜之)
もしかして最高傑作
キルスウィッチ・エンゲイジ『インカーネイト』
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