『ROCKIN'ON JAPAN』がお届けする最新邦楽プレイリストはこちら
痛みと苦しみの中から希望を手繰り寄せ、絶望を愛する方法を模索しながら日々を生きながらえる――社会から爪弾きにされてたどり着いた孤独という居場所の中で秋田ひろむがすくい取った光は、まぶしいくらいに今も我々の生活を照らし続けている。TVアニメ『青の祓魔師 終夜篇』OPテーマの“痛覚”は、痛みの始点であり終点でもある「痛覚」を主題として、《痛覚が愛って/知りながら僕は痛む》という究極のコミュニケーションとも言える繊細な感性を紡ぎ上げた楽曲だ。そこに広がるのは悲観的な荒野ではなく慈愛に満ちた青空。何かとの接触によって初めてその役割を果たす痛覚が、その痛みこそが生きる寄す処となることを教えてくれる。カップリングの“生活の果てに音楽が鳴る”はロカビリー調なアプローチが新鮮ながらもバンドの核心部がストレートに表現された1曲。また完全生産限定盤にはアコースティックライブ「騒々しい無人 2024」の映像及び音源も収められ、amazarashiの最新型をしかと体感できる1枚となっている。(橋本創)(『ROCKIN'ON JAPAN』2025年3月号より)
『ROCKIN'ON JAPAN』3月号のご購入はこちら
*書店にてお取り寄せいただくことも可能です。
ネット書店に在庫がない場合は、お近くの書店までお問い合わせください。