仮面を被った解放

サンダービッチ『サンダービッチ』
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ALBUM
サンダービッチ サンダービッチ
アラバマ・シェイクスの『サウンド&カラー』は紛うことなき傑作だったし、驚異的な進化を遂げたロック・アルバムだったけど、ポリティカルなメッセージに寄せた作風であったために、デビュー作で感じられたブリタニー・ハワードのプリミティヴな表現衝動からは少し距離を置く結果となった。そこで、2012年から稼働していた彼女の別動プロジェクト=サンダービッチ。ATOのレーベル・メイトであるフライ・ゴールデン・イーグルや、ナッシュヴィルのクリア・プラスティック・マスクスのメンバーが結集したバンドである。<私はただロックンロールしたいだけ>、<私に出来るベストを尽くさせてよ>。サンダービッチとしてのブリタニーは、思いを振り絞るようにそう歌っている。サンダービッチの面々にもバンド内でのペルソナが用意されているが、それはこの最高にグラマラスで破天荒なガレージR&Bバンドが、ペルソナを纏うことによって逆にありのままの本性を曝け出すための装置なのである。“アイ・ドント・ケア”や“ワイルド・チャイルド”といった、痛快無比な直球ナンバーがやはり素晴らしい。長く活動してほしいバンドだ。(小池宏和)
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