メロと言葉でドラマを描く才能

The Cheserasera『Time To Go』
発売中
ALBUM
The Cheserasera Time To Go - 『Time To Go』『Time To Go』
このバンドを初めて知ったのは2011年の秋頃で、当時は激情爆発ギターバンドみたいな印象で、メロがくっきりしていたり、歌詞がヒアリングしやすかったりして、既に耳にひっかかるフックを持っていた人たちだったが、このメジャー2ndフルアルバムを聴いてびっくりした。すっきりしてる! わかりやすい! 伝わりやすい! ロバートのコント風に言うと接しやすい! いやロバート風に言う必要はないし、もともとわかりにくいことなどやっていないバンドだが、その精度が格段に上がっている。言いたいこと伝えたいことありまくりなキャラだとお見受けするが、前につんのめるほど抱えているその「言いたさ」「伝えたさ」に足をとられていない。それをこのように言葉にすれば、こんなメロディにのせれば、こういうふうに響くギターサウンドで曲にすれば届く、ということを見据えて音楽になっている。そのへん冷静で、自分にシビアなのだと思う。己に嘘をつかずにどこまで己を拓くことができるかにトライして、勝っている作品。特にサビメロのめったやたらな強さと自在さは必聴、どの曲も。(兵庫慎司)
公式SNSアカウントをフォローする

最新ブログ

フォローする