Galileo Galileiは作品ごとにサウンドが大きく変化してきたバンドだが、小手先の技術で器用に変化をつけていたわけではない。むしろ逆だろう。その時折でいつも必死だったから、ものすごい勢いで成長してきたのだ。僕はその変化をいつも楽しみにしていたが、それは彼らよりも遥かに年上のロックリスナーだからで、バンドと同世代かそれよりも若い世代の人だったら、ガリレオの急成長についていくのは大変だったかも知れない。『パレード』の頃、既にインディーズ時代とは別物じゃないかと思える音源を制作していて、びっくりしたのを思い出す。3人で始まったバンドは4人になって、5人になって、3人に戻った。今回のベスト盤は、既発曲が収められているにも拘わらず、過去のどんなガリレオ作品とも違う。丁寧に曲順を練り上げて構成し、写真アルバムのページをめくるように、すべてのサウンドが生き生きと蘇る。こんなふうに過去の歩みを肯定するガリレオは初めてだし、節目を迎えた今だからこそ生まれたアルバムだ。livetuneや押尾コータローとのコラボ曲まで収録しているのが嬉しい。（小池宏和）