TVアニメ『エンドライド』のエンディングテーマとして書き下ろした新曲に、5月31日赤坂BLITZの“スカイライン”“大海賊時代”“キャノンボール”のライブテイクを加えてリリースされる配信シングル。みんなで作った『海賊盤』とは逆に、すべてひとりで打ち込みで作られている(まあ元々はそういうアーティストだったわけだが)。口語体を崩さないまま、大事なことを平易な言葉で簡潔に言い切る歌詞。楽しくにぎやかにいろいろな音を入れるが、同時に鳴る音の数は最小限にするアレンジ。抑揚が大きいのに話している時と変わらないみたいに自然に響くメロディ。ひとりで作っているのに『海賊盤』的な「みんなで進む」みたいなポジティヴ感が漂う点も含めて、総じて、今の中村一義が獲得している強さがすべてそのまま活かされている曲だと思う、これは。アニメのスタッフから説明を受けてから曲を書く、という、おそらく彼にとって初めてのトライをしたそうで、歌詞、ちゃんとそういう内容になっていながら、よく聴くと深くて鋭いラインだらけなのもさすが。さえている、今の中村一義は。(兵庫慎司)