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荒野を漂うようなダークで混沌とした質感と確固たる眩しさがないまぜになった絶妙なバンドアンサンブル。キャッチーなギターリフが耳を奪う。ひと際重厚なリフを皮切りに、川上洋平の伸びやかで万能感あふれるボーカリゼーションが響く。世界は崩壊しているが、ヒーローのマスクを被ることは絶対に嫌だという想いを吐露したところから“Hallelujah”の物語は始まる。全編にわたって決戦前夜のような闘志が滲む中で掲げられる《あてもない旅をしよう/涙は拭われないよう/己の背中を蹴っていけ/甘えごとを踏み潰して》というメッセージ。ただ自由を感じ、ただ君の顔を見ていたいという当たり前の幸せを求め、僕はヒーローなんかではなく、自分の運命は自分で切り拓くべきだと突きつける。ささやかな自由が奪われる危機が押し寄せる時代における[Alexandros]ならではの戦い方。押し引きをわきまえた巧み且つダイナミックな音像にもバンドとしてのスケールの大きさを感じる。(小松香里)
(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年6月号より)
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