インディーズながら、オリコン総合チャート5位を記録したミニアルバム『捲土重来』から約4ヶ月、ついにイトヲカシがメジャーデビュー。記念すべき1stシングルは両A面。伊東歌詞太郎のエモーショナルなボーカルと、疾走感溢れるバンドサウンドが熱いロックナンバー“スターダスト”は、《雨が降ったって/空が曇ったって/それもいとをかし最高じゃない?》と、さりげなくバンド名を入れていたり、メジャー1枚目の挨拶代わりとも言える非常に力強い楽曲。一方の“宿り星”は、スロウなバラード曲で、ピアノやストリングスのアレンジが、伊東の切なく激しい声をより一層際立たせている。いずれも、歌詞カードを見なくてもすべての言葉が見事にクリアに伝わってくるのは、伊東の声の魅力でもあるが、メロディに乗せる歌詞の譜割りや言葉の選びにとても心を砕いているからだろう。それは彼らがこれまで実施してきた全国路上ライブツアーによって、さらに培われたものかもしれない。届けたい言葉が初めて聴く人にも淀みなく伝わること、それがイトヲカシの楽曲の最大の魅力なのだと思う。(杉浦美恵)