9作目最新アルバム。前作『ダメージ』は結成20周年の記念盤だったが、今作はメジャー・デビュー20周年の記念盤になる。アルバムのテーマはジム・アドキンスいわく「人間は常に進歩の過程にある」ということ。今回のレコーディングではキーボードが多用されるなど、曲作りの上で新たなアプローチやアイデアが試されていることもそうしたテーマと無縁ではないのかもしれない。アンビエントな感触もたたえた表題曲を始め、収録された11曲からは、節目を迎えながらバンドをさらに前進させようとする様々な方向性やインスピレーションが感じられる。しかし同時に、エモーショナルでメロディアスな「ジミー・イート・ワールド節」はもちろん健在だ。円熟味を感じさせる骨太な演奏。シンガロングを誘うアドキンスの勇壮なヴォーカル。M2やM6はアルバムの核となる曲と言えるだろう。プロデュースはジャスティン・メルダル・ジョンセン(M83、パラモアetc)。プレイヤーとしてはマーズ・ヴォルタやブラッド・オレンジの客演も務める才人で、今回が初タッグとなる。“これまで”と“これから”を橋渡しする、貫録とフレッシュネスに満ちた一枚だ。(天井潤之介)