長い友となるアルバム

NOFX『FIRST DITCH EFFORT』
発売中
ALBUM [IMPORTED]
NOFX FIRST DITCH EFFORT
『セルフ・アンタイトルド』以来4年ぶりのニュー・アルバム。プロデュースは長くタッグを組んだビル・スティーヴンソンから、キャメロン・ウェッブ(モーターヘッドやストラング・アウト等を手がける)へと代わっている。それでもNOFXは不変で、キャッチーなメロディがあって親しみやすい(しょーもなかったりもするが)カリフォルニア産パンクが並ぶ。再生とともに、ワクワクしたり、日常のしんどさがよりリアルになることもある。長く聴き続けているファンにとっては、新鮮さと同時に、彼らの曲に初めて触れた時の興奮も引っ張り出されるだろう。そのパンク・ロックの普遍的なエネルギーが生々しく熱い。とくに今回は、ファット・マイクのパーソナルな内容を綴った曲が多く、喜怒哀楽とその間にある感情の襞をサウンドに写し、歌にした。2012年7月に亡くなった友人、ノー・ユース・フォー・ア・ネームのトニー・スライへあてた“アイム・ソー・ソーリー・トニー”。またアルコールやドラッグや、ジェンダー・アイデンティティについて。そして子どもたちの未来についてや、製薬企業への怒りなど、切迫した思いも音に刻まれた、ヘヴィなアルバムだ。(吉羽さおり)
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