2016年10月5日、何の前情報もなく突如店頭に並び、我々を心底驚かせ狂喜させた『ANOTHER STARTING LINE』からわずか2ヶ月、続くニューシングルは4曲ともカバー。2曲は新しく録ったもので、2曲は過去にカバーしたが現在入手不可能になっていたもの。前者は①ビーチ・ボーイズ、②スプリームス、後者は③ブレインズ、④ジョン・レノン。②はフィル・コリンズがカバーして82年にヒット、③はシンディ・ローパーがカバーして83年リリースのファーストアルバムの1曲目に入れていた。つまり、これまでのハイスタのカバーの多くがそうであったように、古いのも新しいのも含めて今回も80年代青春期テイストあり、ということ。『ANOTHER STARTING LINE』は「帰ってきた感」以上に「現在進行形感」を聴かせる作品だったが、カバーであるせいか、今回の4曲は我々が慣れ親しんできたハイスタのどまんなかに近いとも言える。とにかくハイスタが今こうして動いていることと、その動き方と新しい音源にがっかり要素がひとつもないことが、本当に喜ばしいです。（兵庫慎司）