突然ハイレゾ配信がドーンと始まったりと、相変わらず予測不可能なニール・ヤング。2016年9月以降のツアーでやたらと新曲が増えていたからもしやと思っていたところ、名手ジム・ケルトナー(Ds)とポール・ブッシュネル(B)のトリオでリック・ルービンのスタジオを使ってシンプルに録られた新作を突然ぶつけてきた。現在の〈レベル・コンテント〉ツアー、ステージは“アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ”、“孤独の旅路”と続いて幕を開けることが多い。そんな気分がニールの歌心を刺激したのだろう、アルバム全体にどこか『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』の匂いが漂い心地よい。タイトル曲の“ピース・トレイル”や“ショウ・ミー”、ギターが強烈な“キャント・ストップ・ワーキン”など、今後ニール・クラシックになりそうな美しい曲に加え、黒人射殺事件をテーマとした“テキサス・レンジャーズ”やテロについてのヘヴィなナンバーも揃っている。アコースティックを基本としたシンプルなサウンドだが、ミニマルな空間だからこそ個々の鳴り音が意味を持ち、とくにケルトナーの絶妙なドラミングとの語らいは格別だ。(大鷹俊一)