映画『アリー/ スター誕生』の日本公開を機に、今作で長編映画の監督デビューを果たし、世界的ロック・シンガーであるジャクソン・メインを演じたブラッドリー・クーパーへのインタビューを行った。
レディー・ガガがアリーを演じ映画初主演を飾ったことも話題になっている今作だが、劇中で披露される楽曲の数々は全て、ガガとブラッドリーによる書き下ろしだ。
制作にルーカス・ネルソンやマーク・ロンソンも携わったサウンド・トラックは粒ぞろいの名曲集となっており、その全ての楽曲が本作のダイナミックなドラマの中で必要不可欠な存在感を放っている。
先日発表されたグラミー賞では、主題歌“シャロウ ~『アリー/ スター誕生』 愛のうた”が「最優秀レコード賞」と「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞」、「最優秀楽曲賞」、「最優秀映像作品楽曲」の4部門にノミネートされた。
監督としての才能はもちろん、なんといっても、これまでほとんど音楽活動を行ったことがなかったというブラッドリーの完璧なロック・スターぶり、特にステージのシーンでのリアルなパフォーマンス力には誰もが圧倒されることだろう。
クリス・コーネルやトム・ペティをも彷彿させるような、そしてレディー・ガガにも劣らないその歌声は、ブラッドリー自身が幼少期から持つロック・スターへの憧れと、1年半に及ぶ徹底的なボイス・トレーニングにより完成されたものだ。
rockinon.comでは、そうした音楽面について、プロモーション来日時にブラッドリーへのインタビューを行った。ニール・ヤングをはじめ、ノエル・ギャラガーやジャック・ホワイト、エディ・ヴェダーらについて語ったとても貴重なQ&Aを紹介する。
取材では、この他にも表題曲“シャロウ ~『アリー/ スター誕生』 愛のうた”の秘話やボイス・トレーニング期間のエピソードを語ってくれたが、その全容は、『ロッキング・オン』2019年3月号に掲載予定だ。
インタビューの最後には、ムビチケカードのプレゼントも掲載しているので、最後までチェックしてほしい。
インタビュー:滑石蒼
ルーカス・ネルソンとの共同作業、そしてニール・ヤングについて
●どの曲も楽曲として際立っている上に、全ての曲が映画の中で必然的な役割を果たしていて素晴らしいサウンド・トラックですが、中でも特に“Black Eyes”が印象的でした。ジャクソンが偉大なロック・スターであることを一瞬ですべて物語っている曲でもあり、楽曲としても本当に力強くて、聴いた瞬間観ているみんなが惹きこまれます。王道アメリカン・ロックな1曲ですが、この曲はルーカス・ネルソンとの共作ですよね?
「ルーカスと彼のバンドのプロミス・オブ・ザ・リアルと一緒にレコーディングしたんだけど、最初からかなりの手応えがあったよ。冒頭のあの2本のギターのくだりとか……ギターでたった1音だけを何度も繰り返し弾くところとかもう最高だと思って。
あれは完全にニール・ヤングからの影響だよね。ニール・ヤングは大好きなんだ、たった2音弾いただけで見事なギター・ソロに仕立て上げてしまうっていうね(笑)、それでもこんなに素晴らしいギターは聴いたことがないっていう気持ちにさせてくれるから!
あの曲が出来たのは、まさにルーカスと共同作業の積み重ねてきた結果なんだ。その前から1年くらい一緒にずっと作業をしてたんで……あのときも僕がギターを口で歌って、ルーカスがそれをギターで演奏してね。
レストランを出てステージに行くまでのシーンのギター・ソロを、僕がルーカスに歌って……ある意味、すごく理想的な共同作業のあり方というか、昔ながらの手法で作ってる曲なんだよ」
最初はコールドプレイやレディオヘッド寄りのキャラクターだった!?
●役作りの際、頭の中にはエディ・ヴェダーの存在があったとのことですが、彼のどんなところがジャクソンというキャラクターに反映されているのでしょうか?
「エディ・ヴェダーが自分にとって昔から憧れて尊敬してるミュージシャンだったこともあり、もともとはジャクソンのイメージとして彼みたいなキャラクターを想像してたんだよね。
エディ・ヴェダー以外にも、ノエル・ギャラガーとかブルース・スプリングスティーンのイメージも頭にあったし、それともちろんニール・ヤングもね。本当に、自分が昔から好きで憧れたミュージシャン全員があの役に活かされていて、それが全部ミックスされてジャクソン・メインの人物像を作り上げてる。
ただ、ジャクソンっていう人物の大まかなタイプを決めるにあたって、最初マーク・ロンソンと作業を始めた頃にはコールドプレイとかレディオヘッド寄りのキャラクターを想定してたんだよね。
そこからまさにパール・ジャム的なグランジを経て、カントリーを経て、今言った全部を合体させたようなあのキャラクターに辿り着いたっていうね」
ノエル・ギャラガーからの演技指導
●ノエル・ギャラガーについても訊こうと思ってたんですけど、6年前から付き合いがあるそうですね。ノエルの話だと、あなたにロック・スターとしての在り方を指南したとか。
「(笑)」
●両腕を曲げて2度手を叩く仕草の元ネタは自分だと、あるインタビューで語っていましたが(笑)。
「自分では意識してなかったけど(笑)、なるほど、そんなことを言ってたのか(笑)。ノエルを観察したり身近に接しているうちに、自然と移っちゃったんだろうね。
ちょうど何日か前にも会ったばかりでね。映画のこととか、評判がいいこととか色々話してたんだけど、ノエルに何度も映像を送ってはダメ出しされてね。その努力と執念の賜物が今回のキャラクターであるとかいう話をしてたけど(笑)」
ジャック・ホワイト主演説の真相について
●ジャクソンのキャスティングの際には色々なミュージシャンや俳優の名前が挙がったかと思いますが、結果的にあなたがジャクソンを演じたことで素晴らしい結果を生んで、パフォーマンスのシーンも本当にリアルでした。
「嬉しいね」
●それで、ジャクソン・メインを演じる役者の候補としてジャック・ホワイトが挙がっていたと耳にしたんですが、これは本当ですか?
「いや、それは違っていて、単なる噂話のひとつなんだ。ただ、ジャック・ホワイトからも多大な影響を受けてることは確かだよ。今回、ナッシュビルにいるジャック・ホワイトに実際に会って話す機会にも恵まれたし、何度かステージも見学させてもらって。
ジャック・ホワイトからは確実に影響を受けてるよ。僕らの時代を代表する数少ない現役のロック・アイコンのうちの1人だと思うから……今の時代では本当に希少な存在だよね。ジャック・ホワイトの存在から本当にいつも刺激を受けてる」
――そして最後の質問では、俳優ならではの回答も。
●今回の撮影を通して音楽を習得されたわけですが、今後その能力を活かす予定は?
「いや、全然(笑)」
●えー(笑)。
「(笑)。自分が役者をやって恵まれてると思うのは、色んな世界を垣間見られるっていうことで。それこそ兵士からシェフから大昔のイギリス人の人生まで体験することができる、そこが役者っていう職業の魅力なんだよね。
今回この映画が終わったことで、また新しく、別の何かに夢中になるんだと思う」
●なるほど。その前にぜひ生歌をライブで聴きたかったのですが……。
「あはは、ただ、あれはあくまでもジャクソン・メインとしての歌だからね。僕自身が歌ってるわけじゃないんだよ。もし僕が普通に歌ってたら、ああはならなかっただろうし……
あれはやっぱり僕じゃなくて、ジャクソンの歌なんだよ。ジャクソンのキャラクターは地声が低い設定だから、僕が普通に歌ったときとはまた違ったあの音楽が生まれたんだと思うよ」
『アリー/ スター誕生』の公開を記念し、rockinon.comではムビチケカードを抽選で2名様にプレゼント致します。(提供:ユニバーサル・ミュージック)
応募締切は12月26日(水)正午。
下記メールアドレスに、氏名、住所、電話番号をお間違えのないよう明記の上ご応募下さい。
rockinon@rockinon.co.jp
当選者の発表は商品の発送をもって代えさせていただきます。
みなさまからのご応募、お待ちしております!
また、現在発売中のロッキング・オン1月号には、レディー・ガガのインタビューを掲載中。いかにしてブラッドリー・クーパーが今作で自ら歌うことになったのかがガガの言葉で語られている。
●映画情報
『アリー/ スター誕生』
2018年12月21日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
(C)2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
公式サイト:http://starisborn.jp
●リリース情報
レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー『アリー/ スター誕生 サウンドトラック』
発売日:2018年11月7日
価格:2,700円(税込)
◯トラックリスト
1. イントロ – キャスト / Intro – Cast
2. ブラック・アイズ – ブラッドリー・クーパー / Black Eyes – Bradley Cooper
3. サムホエア・オーヴァー・ザ・レインボー(ダイアローグ)- キャスト / Somewhere Over The Rainbow (Dialogue) – Cast
4. ファビュラス・フレンチ(ダイアローグ)- キャスト / Fabulous French (Dialogue) – Cast
5. ラ・ヴィー・オン・ローズ – レディー・ガガ / La Vie En Rose - Lady Gaga
6. アイル・ウェイト・フォー・ユー(ダイアローグ)- キャスト / I'll Wait For You (Dialogue) – Cast
7. メイビー・イッツ・タイム – ブラッドリー・クーパー / Maybe It's Time - Bradley Cooper
8. パーキング・ロット(ダイアローグ)- キャスト / Parking Lot (Dialogue) – Cast
9. アウト・オブ・タイム – ブラッドリー・クーパー / Out of Time - Bradley Cooper
10. アリバイ – ブラッドリー・クーパー / Alibi - Bradley Cooper
11. トラスト・ミー(ダイアローグ)- キャスト / Trust Me (Dialogue) – Cast
12. シャロウ ~『アリー/ スター誕生』愛のうた – レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー / Shallow - Lady Gaga, Bradley Cooper
13. ファースト・ストップ、アリゾナ(ダイアローグ)- キャスト / First Stop, Arizona (Dialogue) – Cast
14. ミュージック・トゥ・マイ・アイズ – レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー / Music To My Eyes - Lady Gaga, Bradley Cooper
15. ディギン・マイ・グレイヴ – レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー / Diggin' My Grave - Lady Gaga, Bradley Cooper
16. アイ・ラヴ・ユー(ダイアローグ)- キャスト / I Love You (Dialogue) – Cast
17. オールウェイズ・リメンバー・アス・ディス・ウェイ – レディー・ガガ / Always Remember Us This Way - Lady Gaga
18. アンビリーバブル(ダイアローグ)- キャスト / Unbelievable (Dialogue) – Cast
19. ハウ・ドゥ・ユー・ヒアー・イット?(ダイアローグ)- キャスト / How Do You Hear It? (Dialogue) – Cast
20. ルック・ホワット・アイ・ファウンド – レディー・ガガ / Look What I Found - Lady Gaga
21. メンフィス(ダイアローグ)- キャスト / Memphis (Dialogue) – Cast
22. ヒール・ミー – レディー・ガガ / Heal Me - Lady Gaga
23. アイ・ドント・ノウ・ホワット・ラヴ・イズ – レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー / I Don't Know What Love Is - Lady Gaga, Bradley Cooper
24. ヴァウズ(ダイアローグ)- キャスト / Vows (Dialogue) – Cast
25. イズ・ザット・オールライト? - レディー・ガガ / Is That Alright? - Lady Gaga
26. SNL(ダイアローグ)- キャスト / SNL (Dialogue) – Cast
27. ホワイ・ディド・ユー・ドゥー・ザット? - レディー・ガガ / Why Did You Do That? - Lady Gaga
28. ヘアー・ボディー・フェイス – レディー・ガガ / Hair Body Face - Lady Gaga
29. シーン98(ダイアローグ)- キャスト / Scene 98 (Dialogue) – Cast
30. ビフォア・アイ・クライ – レディー・ガガ / Before I Cry - Lady Gaga
31. トゥー・ファー・ゴーン – ブラッドリー・クーパー / Too Far Gone - Bradley Cooper
32. トゥウェルヴ・ノーツ(ダイアローグ)- キャスト / Twelve Notes (Dialogue) – Cast
33. アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン(映画ヴァージョン)- レディー・ガガ、ブラッドリー・クーパー / I'll Never Love Again (Film Version) - Lady Gaga, Bradley Cooper
34. アイル・ネヴァー・ラヴ・アゲイン(エクステンデッド・ヴァージョン)- レディー・ガガ / I'll Never Love Again (Extended Version) – Lady Gaga