あいみょんが主題歌を担当した『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』では、ただ好きだという純粋な気持ちで作られたものがピンチを救うシーンがある。あいみょんと『ドラえもん』を巡る物語も、たくさんの「好き」が連鎖してあるべきところへ導かれていくような運命的な話ばかり。
ひと言に「好き」と言っても、激しく情熱を傾けるような「好き」もあれば、かっこ悪いところも含めて包み込んであげるような、愛に近い「好き」もある。“スケッチ”は後者の感情を切り取ったようなとにかく温かい歌。《眼鏡の跡》や《不機嫌》なところなど、取るに足らない部分やネガティブな部分も、その人の見方次第で愛おしい《宝物》になる。『ドラえもん』の世界に寄り添いながらも、恋人だったり親子だったり、あらゆる関係性に寄り添うことができる器の大きな歌だ。
インタビューで、あいみょんが「自分の売りは何かって訊かれた時に、『歌、歌詞』って自分で言いたい」と話していた。深い愛を表現するどこまでも優しい歌声と、鋭く斬新な着眼点と言葉選びの妙は、やはりあいみょんにしか成し得ない技。そのすごさに注目しながら“スケッチ”を聴きつつ、大ボリュームのインタビューもぜひチェックしてみてほしい。(有本早季)
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