メンバーは、ワンマンライブ開催を発表したあとの取材でも、今年1月の取材でも、現場で雑談をしている時にこの日のことで頭がいっぱいだと話していた。初ワンマンライブであり、メジャーデビューを発表する記念すべき公演なのだから、そのプレッシャーはすごかったと思う。そんな彼らが、この公演でファンを楽しませたいという強い思いは、4年間の活動を振り返るメンバーの写真が並べられた手作りのフォトスポットや会場の装飾からも感じられた。
ステージに登場した、こうき(Vo・Key)の第一声がかなり震えていた。本人もMCでかなり緊張していたと話していたが、それも初ワンマンならではだし、貴重な場面を観ることができたと思う。そして、ひと息がつけたのか、そこからの演奏には余裕も感じられた。この日のライブは“占い師”や“拳”、“恋よ、踊り出せ”など、活動初期からの楽曲だけでなく、最新シングル“Q”、さらに新曲“ごめんね”と“手のひらで踊らせて”も披露。バンドの歴史を辿りつつ、進化し続ける彼らの未来の姿も見せてくれた。
そして、メジャーデビューすることがアンコールで発表された。こうき、らな(Ba)、こた(Dr)、それぞれがメジャーデビューに対する思いを語ったのだが、共通して「3人だけで頑張ってきたけど、メジャーというステージに立つことでスタッフを含めたチームができたことがとても心強い。だからこそ、自分たちのためだけじゃなく、ファンの方々、そしてココラシカチームのために頑張っていきたいと思える。ココラシカはもっともっと上を目指して成長していけると思っています!」と話していたことに感銘を受けた。今回のタイトルが「三原色」である意味──それは、こうき、らな、こたの原色が、メジャーデビューを機にこれからどんな色にでも変化していけるということを提示していたのではないかと私は思う。
この公演の時点で全員が19歳。今年で20歳を迎え、人間としても大人へ成長していく3人が、これからどんな音楽を届けてくれるのか。私はとても楽しみで仕方がない。(岩田知大)