毎年ロッキング・オン1月号では、その年にリリースされた洋楽アルバムをロッキング・オン独自の視点から50枚選定、なぜその作品が選ばれたのか?この作品が世界に与えた影響とは?――50選から洋楽の今を徹底解説する表紙巻頭特集です。アルバムだけでなく、リイシュー作品、映像/映画、イベント、洋楽ライター陣による座談会、そしてジャンルを細分化したシーン別の徹底考察で、今年の洋楽シーンを全50ページにわたって徹底的に読み解きます。
ベストアルバム特集以外では、ガンズ、アヴリルの来日レポ、レッチリ、マルーン5や、ニール・ヤング、テイラー・スウィフトなど、今読みたいコンテンツがてんこ盛り! さらに、洋楽アーティストの誕生日が載っている2023年特製カレンダーも付いてきます!そんな超豪華「2022年の洋楽ベストアルバム」号、特集内ランキングの一部を紹介します。2022年10位に輝いた作品はこちら! ご興味のある方は、ぜひ本誌もどうぞ。
【No.3】
ケンドリック・ラマ―『ミスター・モラル&ザ・ビッグ・ステッパーズ』
小説や映画よりはるかに殺伐としてしまった現実世界で、トップアーティストはなにを表現すべきか。ダンスミュージックに振り切って踊らせるか(ビヨンセ)、それまでのフォーミュラを崩さす歌詞を文学的な域まで高めてファンを安心させるか(テイラー・スウィフト)。ケンドリック・ラマーはセラピーの体裁をとって、自分の傷と米黒人社会に何世代にもわたって巣食う病巣に向き合ってみせた。方法論もサウンドもそれぞれだが、目的はたったひとつ。傷ついた世界を少しでも癒すこと。
その意図は、「ザ・ビッグ・ステッパーズ・ツアー」の演出でより明確になった。北米、欧州、オセアニアしか(まだ)回っていないが、その代わり本稿執筆時点でAmazon primeでパリ公演の全容が観られる(急いで!)。アルバム同様に前半をステッパーズ、後半にモラルサイドの曲を配し、ラップで成り上がった「ビッグ・ステッパーズ」から、内面の傷への解決の糸口を示す「ミスター・モラル」へとシフトする様子を、シアトリカルな構成で見せる。(続きは、ロッキング・オン1月号にて)
「2022年の洋楽ベストアルバム」特集の記事は現在発売中の『ロッキング・オン』1月号に掲載中です。ご購入はお近くの書店または以下のリンク先より。