オルタナティヴの古典であり王道

ブラック・サバス『ジ・アルティメイト・コレクション』
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ALBUM
ブラック・サバス ジ・アルティメイト・コレクション
オリジナル・メンバーによる70~78年の音源を集めた、まさに究極の2枚組ベスト。アンディ・ピアースによる09年の名リマスタリングも、彼ら自身の監修による絶妙な選曲も功を奏しているのだろう。昔から大好きだったバンドにもかかわらず、驚くほど新鮮に楽しめた。最高だ。

70 年リリースの最初の2作『黒い安息日』、『パラノイド』でUKハード・ロック/ヘヴィ・メタルの先駆者のひとつとなった彼ら、それら収録曲や“ウォー・ピッグス”などでグランジ/マス・ロックのプロトタイプとも目されている。ただ、それだけではない。“チェンジス”、“血まみれの安息日”はU2、“ロックン・ロール・ドクター”や“イッツ・オーライ”は10CCやオアシスを経て現在まで脈々とつづくエッセンスの源流と言える。そして“発狂”。ここにはむしろ頭がおかしくなってしまうことから、ぎりぎりでとどまるためのヒントがある。歌詞にもゆるいサウンドにも。

ポスト・パンクまっただなかの時代(79年)に名曲“ネヴァー・セイ・ダイ”を残し一旦バンドを去ったオジー・オズボーンにも、今あらためて惚れなおした。(伊藤英嗣)
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