ポップとともに生きるということ

YUKI『まばたき』
発売中
ALBUM
YUKI まばたき
青春性とは「若く未熟な衝動」や「無謀な挑戦に挑む少年性/少女性」を指すものではなく、「自分自身を前進させるために苦悩する意志」そのもののことである――ソロデビュー15周年を迎える2017年に放つ約2年半ぶりのこのアルバムで指し示すのはまさにそんな、YUKI自身が表現者として改めて掲げる「終わりなき思春期」への決意そのものだ。《負けてたまるか 世界のその先が見てみたいんだ》(“暴れたがっている”)、《誇らしさとか 願いとか 希望とか/もっと ずっと 持ち合わせとくよ》(“さよならバイスタンダー”)といった溌剌とした言葉が、YUKI史上最も全方位的なポップが炸裂した楽曲&アレンジと共存しているのは偶然でもなんでもない。彼女は今作で、自らの原点/現在地/未来と対峙しながら、永遠のポップ探求者たる途方もない生き様を再定義し、胸躍らせているからに他ならない――ということが、今作の13曲からはリアルに窺える。《私がこわいもの この胸の火が消えること》と自分の情熱を核心を哲学的に綴ったロックナンバー“私は誰だ”には、抑え難く胸が熱くなる。(高橋智樹)
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