ビートの申し子、ロックの異端児

フォーメーション『ルック・アット・ザ・パワフル・ピープル』
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ALBUM
フォーメーション ルック・アット・ザ・パワフル・ピープル
ピンク・フロイドとジミヘンとイエスとウータン・クランを高速遠心分離機にかけ、グルーヴとサイケデリアを丹念に抽出して楽曲に注ぎ込んだようなビート感。ギター・ミュージックの影響を多大に受けつつギター・サウンドをOFFにすることによって生まれる、ミステリアスな異境感と懐かしさが渾然一体となって渦巻くサウンドスケープ……双子のウィル&マット・リットソン兄弟を中心として結成されたロンドン発5人組=フォーメーションのデビュー・アルバムとなる今作には、LCDサウンドシステムやフレンドリー・ファイアーズに通じるダンス・ポップ感と同時に、ロックが革新的だった時代への憧憬と、それを今この時代のストリートの空気感に直結しようとする探究心が沸き返っている。

リード曲“ア・フレンド”は17年のダンス・アンセムとしての資質十分な躍動感と中毒性に満ちているし、“バック・ゼン”の疾走感とオルガン・アレンジからはイエス“ラウンドアバウト”の薫りが漂ってきて思わずニヤリとする。その音の先にカサビアンやザ・キラーズへの道筋をうっすらと感じさせるあたりも心憎い。要注目。(高橋智樹)
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