フジでも要注目の遅咲きシンガー

ラグンボーン・マン『ヒューマン』
発売中
ラグンボーン・マン ヒューマン
近年、この男ほど突出したパーソナリティというか人間力のようなもので注目を集めた新人は見当たらない。現に『ヒューマン』は、過去10年で最高の男性アーティストによるデビュー・アルバムとなった。BBCのSounds of 2017ではレイ・BLKに次いで2位となったが、ブリット・アウォーズでは新人枠の2冠を獲得。一度見たら忘れられない長髭のシンガー=ラグンボーン・マンである。ゴリラズ新作にも参加していた。元はクラブ・ミュージックのMCだったが19歳でブルースに開眼、現在はヒップホップ・ビートに野太い歌声を乗せている。過去のEP作品ではオーガニックなブルースを歌ったりしているが、現在のスタイルでも彼はブルースという呼称に強い拘りを持っているようだ。つまり、ラグンボーン・マンとはその内面にブルースの精神性を棲まわせたプロジェクトなのである。“ヒューマン”や“スキン”といったヒット・シングルはもちろん、メンフィス・ソウル風の“イノセント・マン”や圧巻のア・カペラ“ダイ・イージー”なども素晴らしい。“フェイド・トゥ・ナッシング”は、なぜボートラ扱いなのか分からない佳曲だ。 (小池宏和)
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