未来の音に息づく歴史

オデッザ『ア・モーメント・アパート』

発売中

オデッザ ア・モーメント・アパート
ハリソン・ミルスとクレイトン・ナイトにより、シアトルで結成されたエレクトロポップ・デュオ=オデッザのニュー・アルバム。自ら立ち上げた新レーベルからのリリースだが、前作に引き続きニンジャ・チューン傘下のカウンター・レコーズも共同リリースに名を連ねている。フォーキーな情緒を宿したソングライティングと強い感傷を誘うサウンドスケープは、キャッチーなフューチャー・ベースが隆盛を極める今日にあって至極真っ当なスタイルと言えるだろう。ただ、磨き抜かれた鋭いビート感は往時からのニンジャ・チューンの伝統を思い出させるものだし、冒頭のタイトル・チューンや“ジャスト・ア・メモリー”など、ポストクラシカル/ノンクラシカル的な奥行きを感じさせる楽曲構築が印象い。エレクトロ・ソウルというポップ・ミュージックの「型」が飽和状態を迎えている今日、オデッザのように一聴してそれと分かる個性は重宝されるはずだ。前作でゲストに迎えられていたリトル・ドラゴンや、本作でのレオン・ブリッジズなど、シーンを広く見渡し実力や相性を計算し尽くしたかのようなボーカル起用術も見事。 (小池宏和)

最新ブログ

フォローする