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ジャンルに縛られず自由奔放に音を操る異端児、Maverick Momのメジャーデビューアルバムは、理想と現実の狭間で揺れ動く人間の性を描くひとつの物語のようだった。大航海の幕開けを思わせる“overture”に続く表題曲“Travessia”には「人生」という意味がある。あらゆるジャンルがカオスに混ざり合って躍動する予測不能なサウンドに、《答えを持たない不可知の旅》のような人生への不安と期待が滲む。そうして始まるDisc1の全13曲を通して描かれているのは、恋や孤独、裏切りなどに人生を翻弄されながらも、《本当の自分》や《理想郷》を追い求めて光を見出し、未来へと進んでいく姿。最後には、彼ららしいトリッキーさを秘めながら爽快に駆け抜けていく“宝島”が、そんな人生そのものを《旅の軌跡は宝島》だと肯定し、《生きて生きて生き尽くして》とエールを送る。この物語は、愛と生命力を纏ってメジャーシーンという大海原へ力強く漕ぎ出した彼らの決意表明であると同時に、私たちの人生も照らしてくれている。(哲翁まどか)(『ROCKIN'ON JAPAN』2026年7月号より)
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