グラム・ロックの脈動と熱量

T・レックス『BEST OF T. REXXXXXXX』
2017年09月13日発売
T・レックス名義での3作目『ザ・スライダー』からマーク・ボランの遺作となった『地下世界のダンディ』までスタジオ盤6枚&73年『グレート・ヒッツ』の計7作品が、マーク・ボラン生誕70周年&没後40年/T・レックス初来日45周年の節目に最新マスタリングで再発――と時を同じくしてリリースされる、前述7作品から選曲された日本独自企画のベスト盤。ということで彼らの出世作的楽曲“ゲット・イット・オン”こそ収められていないものの、“イージー・アクション”“メタル・グウルー”“トゥエンティー・センチュリー・ボーイ”など代表曲をごっそり収録。ロックがアートと産業の間をダッチ・ロールしていた時代の中、狂気と官能をグラム・ロックへ結晶させながら駆け抜けたマーク・ボランのスリリングなタイム感を、今作の22曲はリアルに伝えてくれる。

今作の監修を担当したのは、今やT・レックス伝導師としてお馴染みのアキマツネオ(元マルコシアス・バンプ/ 現Rama Amoeba)。彼がプロデュースを務めた、日本の精鋭アーティストによる最新トリビュート盤『T.Rex Tribute〜Sitting Next To You〜』も同時発売。( 高橋智樹)