福岡を拠点に活動する４ピース、Autumnleaf。リリカルなギター・アルペジオと、ポリリズムから落ち着いたリズムまで多彩に表現するドラム、そして抑えたボーカルで、幻想的なサウンドを生み出すバンドだ。今年の夏に、自分たちでレーベルwood／water recordsを立ち上げ、その第１弾がこの１stアルバム。レーベルとしては、自身の作品の他にも、国内外問わずリリース＆ディストリビューションもする予定ということで、インディ・ロック・ファンはこの名を手帳にしっかり記しておくべき。とくに初期JADE TREEやPolyvinylといったレーベル好きに確実にシンクロすることは、Autumnleafを聴けばわかる。マス・ロックというほど隙のない構築度でなく、柔らかな歌心を大事にした内容。そして一曲、１曲のシャープなまとまりや、キレのあるサウンドの端々にパンクやハードコアの余韻もうかがえて、そのキリリとした音に、歌のポップさが絶妙な甘い差し色になっているのがポイントだ。美濃隆章（toe）をエンジニアに迎え、洗練された音作りだが、サウンドが発するムードはフレンドリーで温かい。（吉羽さおり）